パワハラと指導の違いは?その境界線について

ここ最近、レスリングの伊調馨選手と栄和人氏の件や、 19歳警官が上司を撃ち殺してしまった事件など、「パワハラ」についての話題が続いていますね。

しかしどんな場面でもあくまで「指導」は必要であることもわかります。

今回は、 その「パワハラ」と「指導」の違いや境界線について、まとめてみました。

レスリングの伊調馨選手と栄和人氏のパワハラ

伊調馨選手といえば、 五輪で4連覇を達成し、国民栄誉賞も受賞している日本が誇るべき人材です。

そんなトップ選手が 元コーチである栄和人氏(当時は日本レスリング協会の強化本部長)からパワハラを受けていた として告発をし話題になりました。

そして、同協会が第三者委員会に調査を依頼し、見事に4件がパワハラ認定されました。 (まだ他にも告発されたものはあったようですが...。)

パワハラ認定された4件

パワーハラスメントと認定した事実

  • 2010年2月の合宿で、栄氏が伊調選手をコーチ部屋に呼び、「よく俺の前でレスリングできるな」と発言。
  • 2010年のアジア大会の代表選考で、二つの選考会で優勝した伊調選手が選ばれなかった。
  • 2010年9月の世界選手権で、ホテルロビーで栄氏が田南部氏に「伊調の指導をするな」と発言。
  • 2015年2月の合宿中、協会の指示で京都へ指導に行った田南部氏に対し、栄氏が外出を叱責。「目障りだ。出て行け」と罵倒。

どれも自分の指導から離れていったことによる、 感情的なことが原因で行われたパワハラだと思われます。

こういった感情での発言や行動は 指導ではなくパワハラだと認定されて当然でしょう。

19歳警官(巡査)の上司(巡査部長)発砲殺人事件

報道では動機について「罵倒され撃った」ということです。

これは、パワハラ案件だということがあまり報道されていませんね。

19歳巡査は、 2017年4月に採用されてから何事もなく働いていたようですが、 2018年1月に殺害された井本巡査部長の部下(19歳警官の教育係)として、 滋賀県彦根市の県警彦根署河瀬駅前交番に配属されました。

そこから3か月でこのような事件が起きたわけです。

19歳巡査を知る人物への取材では 「怒ったところを見たことがない」とのことでした。

私は、すぐに 「よっぽど嫌な上司だったんだろうな」と思いましたが、 テレビのコメントではそのようなコメントをされていませんでした。 (私が見たテレビ番組のことですので、すべての番組がそうかは知りません。)

こういった事件が起きた際、 「最近の若者は辛抱が足りない」「なにくそと思って頑張れ」といった気持ちを抱く人は、 自らが気付かずにパワハラをしていることが多いです。

もちろん、 何があったとしても、殺害してしまうのは許されることではないでしょう。

私も、 昔ひどい上司にパワハラを受け続けていたときは、精神的におかしくなり、 そういった感情になったことは何度もあります。

もちろん 実際に行動に移してしまうのは許されることではありませんが、気持ちはわかります。

体育会系はパワハラが多い現実

また公になっていませんが、 まだまだ体育会系にはパワハラ案件が隠れていると思います。

むしろ、 パワハラをしている人や団体のことを遠回しに 「体育会系」と呼んでいる現実もあります。

もっと公になり、 問題視されれば少しづつですがパワハラも減っていくと思います。

まだ、 現状ではいわゆる「体育会系」は発言が多いのも特徴です。

そして、 その性格から出世・成功しやすい傾向にあり、 上の立場になりやすいわけです。

そういった背景もあり、 「体育会系」をのさばらせる要因になったえいるのでしょうね。

パワハラと指導の明確な違いは?

厚生労働省によって明確にきめられているのですが、 その内容は簡単に説明すると、 「立場を利用して、業務の範疇を越えて苦痛を与えること」です。

苦痛というのは、 精神的・肉体的のどちらも当てはまります。

「大きな声で叱咤され、精神的苦痛を伴ったのでパワハラだ」 といったもので告発をしても、状況が異なれば、認定可否も変わります。

たとえば、 「現場仕事で危険な作業をしている最中に従業員がヘルメットを付けずに従事していて、危ないので大声で注意した。」 こういう状況では、「業務の範囲を越えた」 とは認められないため、認定されることはないでしょう。

しかし、 「営業の数字が目標値に達せず、みんなの前で大声で給料泥棒!と言った」や 「罵倒はしていないが、必要以上に長時間指導して精神的苦痛を与えた」 というのはパワハラ認定されます。

罵倒に関しては、 気を付けていても「指導によって精神的苦痛を与える」ことによっては、 パワハラ認定されてしまいます。

時代や人の考え方、働き方は変わっている

私自身、 社会人になって数年は非常にきついパワハラを受けていたので、それが当たり前となっていました。 そのまま初めて部下を持ったときは、厳しく指導することも多かったです。しかし、それが間違いであると気付き、改善をしました。

現在は、 部下がミスをした場合は一緒に改善案を考えるようにし、 よくないことをした場合はなるべく要点だけを伝えて短く終わるようにしています。

ひたすら厳しく指導することにメリットなんてほとんどありません。ただ、 自分の上手くいってないことによる嫌な感情を、 部下にぶつけてすっきりしたいだけ・・・ ではないでしょうか。

確かに昔は、「きつく言われたら、なにくそと思って頑張る」 といった考えの人が多かったのかもしれません。しかし、そういった人は減り続けています。時代は変わっていってます。感情ではなく、効率が大事なんです。

一度、自分の部下への接し方について、見直してみるとよいですよ。