次世代通信規格として実用化がせまっている5G。
各社の対応は?いつから?スマホは?など、様々な疑問があることでしょう。
実はしっかりと理解するためには専門知識がないと中々難しい話なんです。
ですが今回は、一般の人にもわかるようになるべくかみ砕いて、情報をまとめました。
この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。
5Gとは?
ますはじめに、簡単に5Gについて説明します。
現代のスマホの通信規格は4Gが主流になっています。その通信規格が4Gから1段階上がるので5Gと言われているのです。
通信規格が3Gから4Gへなっていった時代を生きている方は、通信速度の違いを味わったことがあるでしょう。
今回の5Gは、その4Gよりも更に早い通信速度が実現できるという認識で問題ありません。
普通に生活してる限りには充分ですよね。
ちなみに5Gの読み方は「ふぁいぶじー」「ごじー」と読まれていますが、私はどちらかといえば「ふぁいぶじー」が一般的かなと思います。
5G対応スマホは?いつから?
海外メーカーではサムスンが5G対応スマホを発表していますね。
機種名は『Galaxy S10 5G』です。
Galaxyと言えば、日本でも販売されているモデルですが、5Gに対応している本機種に関しては、まだ日本で発売されるかどうかが決まっていません。
そもそも、日本ではソフトバンク、ドコモ(NTT)、au(KDDI)のキャリアですら、いまだに周波数が割り当てられていません。
周波数の割り当てが決まってから5G通信の基地局を建てることになるので、日本での5G対応スマホの実用化は2020年以降になることは間違いないでしょう。日本メーカーではソニーの『Xperia』のプレミアムシリーズで5G対応スマホが発表予定(おそらく2019年9月ごろ)になっています。
サービスの開始時期は、キャリアの関係で2020年以降になるでしょうが、スマホ自体はもう少し早めに手に入るかもしれませんね。
5GとWi-Fiの速度差は?
5GとWi-Fiは、最近でも比較されいる記事を見かけますが、「5GとWi-Fiの通信速度は互角」と書いてある記事を見かけました。
はっきり言って、これは間違いです。その程度であれば、こんなに注目されません。5Gの最大通信速度(理論値)は、そんなもんじゃないんです。
「みんなが5Gでアクセスすると回線がパンクする」というのも言われていますが、何もわかっていません。5Gは、そういうものじゃないんです。
Wi-Fiの通信速度 光通信との関係
まず、現在のWi-fiにも規格というものが存在します。現状での最新は、『IEEE 802.11ac』というもので、『Wi-Fi 5』と同義です。
最大通信速度(理論値)は6.93Gbpsです。
そして、2020年頃に最新規格が発売される予定もあります。その規格が『IEEE 802.11ax』で『Wi-Fi 6』ということになります。
最大通信速度(理論値)は 、9.6Gbpsです。
もちろん、Wi-Fiですので、元の回線速度が関係してきますよね。
現状、元の回線速度で最速なのは光通信ですが、その最大通信速度(理論値)は2Gpbsなんです。
つまり、いくらWi-Fiが9.6Gbpsの速度に耐えられても、そもそもの回線速度が2Gpbsよりなので、それよりも速くなることはあり得ないんです。
5Gの通信速度 4Gとの比較
Wi-Fiと光通信の速度については、理解していただいたと思います。
では本題の5Gです。
4Gの最大通信速度988Mpbs(0.988Gpbs)であり、
そして5Gの最大通信速度は驚きの20Gpbsです。4Gの20倍ですよ。もう、5GとWi-Fiや光通信の速度なんて比較になりませんよね。
5Gで何が変わるのか
ここまでで5Gは凄いということをおわかりいただけたと思いますが、冒頭で発言した「5Gになると世界が変わる」という感覚はまだピンとこないかもしれませんね。
では、この20Gpbsという通信速度で何ができるのか、どう世界が変わるのかを説明します。
高速なので大容量であろうがサクサク
4Gの通信速度ですと、ファイルの容量によってはサクサク動作が難しかったのですが、5Gであれば、今まで1GBの容量をダウンロードしていた時間で20GBをダウンロード可能になるわけです。
サクサク動くというのが想像できることでしょう。これで忙しい日本人でもストレスなく利用できますよね。
タイムラグが圧倒的に少なくなる
近年、AIによる自動運転技術の開発が進んでおり、IoT(モノのインターネット)として、通信速度が重要な位置づけになっています。
自動運転では、事故を防ぐために最新情報を入手する通信にタイムラグがあっては困りますよね。今までの4Gでの通信規格では、そのタイムラグが大きな課題となっていました。
5Gでは、そんな課題を解決してくれるのでは?と期待されています。
その他にも、医療での遠隔治療など、インターネットのタイムラグが課題になっていた問題を解決するきっかけになることでしょう。
通信制限の解除
4G通信になってから、スマホの利用者も増え、各キャリアが通信制限を始めましたね。これは、回線がパンクしたり、全体的な通信速度の低下を防ぐためです
それが5G対応スマホでは、通信制限が解除されるのではないか?と噂になっています。
まず、5Gになると4Gと比較して最大同時接続数が100倍になります。
これだけでも、通信制限解除されそうな気もしますが、5G導入によりIoT機器の使用が急増することも予想されますので、もう一押し必要です。
そこでポイントになるのが、通信速度の速さです。
ここでは、計算がしやすいように下記の条件を付けておきます。
- 4Gの最大同時接続数は1としておく
- 4Gでは、1GBのダウンロードに1秒かかる
- 比較時間は10秒
まず、4Gの場合は、10秒で10人が1GBの動画をダウンロードできるというのはわかりますね?
では、5Gだとどうなるでしょうか?
最大同時接続数が4Gの100倍。更に通信速度が20倍です。つまり、実質の効果としては、2,000倍になるわけです。
もう少し細かく説明すると、1秒÷20(通信速度)で1人0.05秒で1GBのダウンロードが可能です。ということは、0.05秒で100人が1GBのダウンロードが可能ということです。
ということは、10秒÷0.05秒(1人あたりの1GBダウンロードにかかる時間)×100人で、20,000人です。
4Gが10秒で10人しかダウンロードできなかったのに対して、5Gでは20,000人がダウンロードできるんです。
これが、通信制限がなくなるかもしれないという噂の根拠です。
ダウンロードの必要がなくなる
実は、今までは通信速度の問題があったので、大容量データはダウンロードするのが一般的でした。
しかし、5G通信であればストリーミングでも問題なくなるわけです。
これのメリットは、ダウンロードのために端末のデータ容量を増やす必要がなくなるということにも繋がります。
IoT機器の小型化も進みそうですね。
5Gを活かしたIoT機器は、何が出てくるか
前述した自動運転や医療での遠隔治療以外にも、様々な場所でIoTが発展していくことが予想されています。
その代表的なものを紹介します。
ウェアラブル端末
個人的に一番期待しているのが、ウェアラブル端末です。
例えばメガネを身に付けることによって、様々な情報をリアルタイムで取得できるようになる、というものです。
今までは、通信速度の関係でタイムラグが生じることもあったため、実現が難しかったのですが、タイムラグが無くなれば実現可能になるのではないでしょうか。
そこから発展すれば、わざわざスマホを持つ必要もなくなることでしょう。
宅配サービスの向上
これは自動運転に近い話ですね。
Amazonや楽天、郵便サービスでもそうなのですが、宅配サービスをロボットやドローンなどに任せる研究が進められています。
AIだけの運用では、中々実現まで難しかったのですが、5G通信による遠隔監視が使えるようになれば、実現も近いのではないでしょうか。
そこから発展させれば、注文してから【工場梱包⇒発送⇒配達】までが全て自動化も可能になることでしょう。
ドコモがYoutubeで配信している動画
ドコモが5GによるIoT世界の実現した世界を動画として配信しています。
この世界が夢ではなくなるのが5Gなんです。
2020年に期待
日本が2020年に照準を合わせている理由が2020東京オリンピックです。
ここで世界に向けて最新技術を用いたパフォーマンスをするのは間違いありません。
そして、そこから5GによるIoT社会が実現していくんです。
今から楽しみですね。