アニメ・漫画が原作となっている作品が実写化すると、ほとんどのケースで失敗しますよね。
とくに、アクションが多い作品は酷いものが多かったように思えます。
そんな中でも、成功している実写化の共通点は『原作への愛を感じられる作品』です。
今回はそのような愛に溢れる良い作品を紹介していきたいと思います。
ただ、少女マンガについては、作風から実写化しやすく成功している作品が多過ぎるため、今回は対象外としました。
また、ディズニーやアメコミなど、洋画に関しては予算の使い方がレベル違いで成功している作品ばかりですので、対象外としました。
それでは、実際に紹介していきましょう。
この記事を読むのに必要な時間は約 13 分です。
デスノート
タイトル | デスノート |
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監督 | 金子修介 |
脚本 | 大石哲也 |
原作 | 大場つぐみ、小畑健『DEATH NOTE』 |
制作会社 | 日活撮影所 |
製作 | 山路則隆、堀義貴、西垣慎一郎、平井文宏、北上一三、松本輝起、大澤茂樹 |
製作総指揮 | 高田真治(製作指揮)、奥田誠治(エグゼクティブ・プロデューサー) |
公開 | 2006年6月17日 |
死神のリュークはフルCGで再現させることにより、なるべく原作を忠実に再現することにこだわった実写化映画でした。
L役の松山ケンイチは、この作品を経てブレイクしたと言っても過言ではありません。
原作に忠実なのは途中までで、ラストは完全にオリジナルとなっています。
「綺麗なラスト」という意味では、漫画版よりも実写版の方が良かったのではないでしょうか。
ちなみに、『デスノートLight up the NEW world』とドラマ版は観ていませんのでレビューできませんが、結構な酷評です。
るろうに剣心
タイトル | るろうに剣心/るろうに剣心京都大火編/るろうに剣心伝説の最期編 |
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監督 | 大友啓史 |
脚本 | 藤井清美、大友啓史 |
原作 | 和月伸宏『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』 |
制作会社 | C&Iエンタテインメント |
製作 | 久保田修/福島聡司/福島聡司 |
製作総指揮 | ウィリアム・アイアトン |
公開 | 2012年8月25日/2014年8月1日/2014年9月13日 |
初めて実写化を聞いた時は「絶対に失敗する」と思いましたね。
正直、3部作のうち1本目は微妙でした。しかし、その後の2、3本目は良かったです。
まず、キャラの再現度が高いのがいいですね。
色々とツッコミどころは多かったのは間違いないです。内容も原作を忠実に再現しているというわけでもありません。
しかし、何よりも「原作への愛を感じられる作品」でした。
まさか九頭龍閃をCGなしで再現させるというのは思ってもみなかったので、びっくりしました。
しかし原作を知らない人にはイマイチ意味がわからないシーンだったことでしょう…
もちろん、同時に9方向の斬撃なんて人間には不可能ですので、9回刀振ってるだけなんですが…。
そして、志々雄が強過ぎです。原作ではそこまで強くなかったのに…とはなりました。
残念だったのは、十本刀でしょうか。ほぼカットされています。しょうがないですけど、不二も小さいです。
このようにツッコミどころは多いものの、全体としては成功と言える作品です。
バクマン。
タイトル | バクマン。 |
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監督 | 大根仁 |
脚本 | 大根仁 |
原作 | 大場つぐみ、小畑健『バクマン。』 |
制作会社 | 東宝映画、オフィスクレッシェンド |
製作 | 市川南 |
製作総指揮 | – |
公開 | 2015年10月3日 |
元々、非現実系の原作ではないので、実写化を聞いても「成功するだろうな」としか思いませんでした。
普通に面白かったです。
ただ、納得いかないのはヒロイン役の「小松菜奈」です。
ヒロインの亜豆美保は、原作では正統派美少女の設定でした。
しかし、「小松菜奈」は正統派美少女ではないでしょう。かなり好みが分かれる女優なはずです。
当時ブレイクしていたのはわかりますが、ゴリ押しの悪影響がここでも出てしまいましたね。
ちょっとそういうのは控えていただきたいものです。
アイアムアヒーロー
タイトル | アイアムアヒーロー |
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監督 | 佐藤信介 |
脚本 | 野木亜紀子 |
原作 | 花沢健吾『アイアムアヒーロー』 |
制作会社 | 東宝映画 |
製作 | 山﨑倫明、城戸史朗 |
製作総指揮 | 山内章弘 |
公開 | 2016年4月23日 |
原作に忠実とは言えない映画でした。
「アイアムアヒーロー」という名が付いた別のゾンビ映画だと思った方がいいと思います。
そういった意味では面白かったのではないでしょうか。
原作を最後まで見ている人からすると、納得いかない部分が多かったでしょう。
個人的には主人公の英雄がかっこよすぎるのとかが納得いかなかったです。
単純に邦画ゾンビ映画としては、一番面白いと思います。
テルマエ・ロマエ
タイトル | テルマエ・ロマエ/テルマエ・ロマエII |
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監督 | 武内英樹 |
脚本 | 武藤将吾/ 橋本裕志 |
原作 | ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』 |
制作会社 | – |
製作 | 稲葉直人 |
製作総指揮 | – |
公開 | 2012年4月28日/2014年4月26日 |
この作品も原作に忠実とは言えず、独自展開も多かった作品です。
とはいえ、そもそも原作がそこまで有名な作品でもありませんでしたので、批判も少なかったようです。
古代ローマ人が日本にタイムスリップして、その文化を学んで古代ローマで実践するという設定だけで面白いです。
モテキ
タイトル | モテキ/モテキ |
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監督 | 大根仁 |
脚本 | – |
原作 | 久保ミツロウ『モテキ』 |
制作会社 | テレビ東京、オフィスクレッシェンド/テレビ東京、東宝 |
製作 | 稲葉直人 |
製作総指揮 | 高田真治(製作指揮)、奥田誠治(エグゼクティブ・プロデューサー) |
公開 | 2010年7月16日- 10月1日/2011年9月23日 |
ヒューマンドラマ系のジャンルは、実写化成功事例が多いですね。
モテキは丁度良いバランスで実写化されました。女の子は可愛いし、森山未來はいい演技でした。
個人的なオススメな女の子は、「中柴いつか」と「小宮山夏樹」、そして「松尾みゆき」です。
「小宮山夏樹」は、最初は嫌いだったのですが、主人公の実家に一緒に行った時に好きになってしまいました。
いつかちゃんとみゆきは明るいところがいいですね。
ヒミズ
タイトル | ヒミズ |
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監督 | 園子温 |
脚本 | 園子温 |
原作 | 古谷実『ヒミズ』 |
制作会社 | – |
製作 | 梅川治男、山崎雅史 |
製作総指揮 | – |
公開 | 2012年1月14日 |
まさかの園子温が監督という本作品。漫画版の暗い雰囲気を見事に表現しています。
ただ、漫画版のラストよりも明るく終わっていますし、設定も大幅に違います。
そしてこの作品から、染谷将太と二階堂ふみが頭角を現すことになります。私も、一気に二人のファンになりました。
寄生獣
タイトル | 寄生獣/寄生獣完結編 |
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監督 | 山崎貴 |
脚本 | 古沢良太、山崎貴 |
原作 | 岩明均『寄生獣』 |
制作会社 | ROBOT |
製作 | 川村元気、佐藤貴博、守屋圭一郎 |
製作総指揮 | – |
公開 | 2014年11月29日/2015年4月25日 |
面白さとしては、漫画版>アニメ版>実写版といったところですが、成功と言えるレベルの作品でした。
実写版では重要人物が登場しなかったりもするので残念なところは多々ありましたが、それでも充分な出来でした。
アクションも見事でした。最近ではCG政策技術も向上していて、漫画・アニメ原作でも違和感なく再現できるようになりましたね。
ピンポン
タイトル | ピンポン |
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監督 | 曽利文彦 |
脚本 | 宮藤官九郎 |
原作 | 岩明均『寄生獣』 |
制作会社 | ROBOT |
製作 | 小川真司、鈴木早苗、井上文雄 |
製作総指揮 | 椎名保 |
公開 | 2002年7月20日 |
原作への愛も感じさせつつ、見事に実写として昇華させている映画でした。
どうしても尺の都合上、ペコとスマイルの関係性についての描写が少なくなってしまうのが残念ではありました。
しかし、原作の躍動感も表現されていてテンポも良く、全体的に名作品となりました。
3月のライオン
タイトル | 3月のライオン前編/3月のライオン後編 |
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監督 | 大友啓史 |
脚本 | 岩下悠子、渡部亮平、大友啓史 |
原作 | 羽海野チカ『3月のライオン』 |
制作会社 | ROBOT |
製作 | 谷島正之、竹内文恵、守屋圭一郎 |
製作総指揮 | 豊島雅郎、上田太地、友田亮 |
公開 | 2017年3月18日/2017年4月22日 |
将棋ものだと思って観るのは辞めてください。メインはヒューマンドラマになると思います。
15歳でプロ棋士となった天才棋士の心の成長を描いた物語です。
主人公を演じた神木隆之介さんの演技が光ります。
帝一の園
タイトル | 帝一の園 |
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監督 | 永井聡 |
脚本 | いずみ吉紘 |
原作 | 古屋兎丸『帝一の國』 |
制作会社 | AOI Pro. |
製作 | 小川晋一、木下暢起、市川南 |
製作総指揮 | – |
公開 | 2017年4月29日 |
まったく期待していなかったのですが、面白かったです。
感動ものというわけでもコメディというわけでもなく、「良い映画」でした。
あと、竹内涼真さん演じる大鷲弾がかっこよすぎです。惚れちゃう。
闇金ウシジマくん
タイトル | 闇金ウシジマくん/闇金ウシジマくんPart2/闇金ウシジマくんPart3/闇金ウシジマくんザ・ファイナル |
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監督 | 山口雅俊 |
脚本 | 福間正浩、山口雅俊 |
原作 | 真鍋昌平『闇金ウシジマくん』 |
制作会社 | S・D・P、アールグレイフィルム/S・D・P/サモワール/サモワール |
製作 | 細野義朗、山口雅俊、都築伸一郎、藤沢雅実、岩倉達哉、村田亮、岡本順哉、丸山博雄/細野義朗、山口雅俊、都築伸一郎、西村克巳、岩倉達哉、村田亮、岡本順哉、丸山博雄/岩倉達哉、村田亮、岡本順哉、丸山博雄/岩倉達哉、村田亮、岡本順哉、丸山博雄 |
製作総指揮 | – |
公開 | 2012年8月25日/2014年5月16日/2016年9月22日/2016年10月22日 |
山田孝之さん演じるウシジマの完成度が高すぎることで話題になりましたね。
金融系は現実離れしていないので、実写映画も作りやすいのでしょう。
ウシジマくんの原作は、本当に目を背けたくなるほどリアルな現実が特徴なのですが、映画版では少しエンターテイメント要素が強くなっています。
どちらかと言えば、実写化のために万人受けする内容に変えたのでしょう。
こういう漫画は小さい頃に見ておいた方がいいでしょう。騙される側に回らない教科書のように漫画です。
新宿スワン
タイトル | 新宿スワン |
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監督 | 園子温 |
脚本 | 鈴木おさむ、水島力也 |
原作 | 空知英秋『和久井健』 |
制作会社 | トライストーン・エンタテイメント |
製作 | 山本又一朗 |
製作総指揮 | – |
公開 | 2015年5月30日 |
主人公のタツヒコがスカウト会社で働くことになる話です。
現実感のある内容ですので、実写化がしやすかったのでしょう。
キャストも豪華ですが、アンダーグラウンドな世界観を演出させたらピカイチの園子温が監督の作品です。
カイジ
タイトル | カイジ 人生逆転ゲーム/カイジ2 人生奪回ゲーム |
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監督 | 佐藤東弥 |
脚本 | 大森美香/福本伸行、山崎淳也、大口幸子 |
原作 | 福本伸行『賭博黙示録カイジ』 |
制作会社 | 日本テレビ |
製作 | 山本又一朗 |
製作総指揮 | 奥田誠治 |
公開 | 2009年10月10日/2011年11月5日 |
2作目にいたっては原作者が脚本に参加しているという珍しい作品です。原作への愛がないわけありませんよね。
カイジ役を藤原達也さんが演じていますが、完全に藤原竜也です。クズや狂人を演じさせたら上手い俳優さんですよね。
大幅な設定変更が多かったのですが、全体的に綺麗にまとまっていて、実写化が成功している作品と言えるでしょう。
亜人
タイトル | 亜人 |
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監督 | 本広克行 |
脚本 | 瀬古浩司、山浦雅大 |
原作 | 桜井画門『亜人』 |
制作会社 | 東宝映画、Production I.G |
製作 | 佐藤善宏、臼井真之介、牧野治康 |
製作総指揮 | 山内章弘 |
公開 | 2017年9月30日 |
ビックリするほど設定が違う作品です。
まぁ原作通りにすると主人公の年齢的に子役しか使えなくなってしまいますからね。仕方ないでしょう。
ここまで原作と違うのに実写化に成功している作品は珍しいですね。アクションも迫力があっていいですよ。
ただ、個人的には永井の人間らしさが嫌でしたね。永井は人間らしくないサイコパスだから佐藤とのバランスが取れるんですよ。
同じサイコパスなのに、対立するという構図がいいんです。
ちはやふる
タイトル | ちはやふる上の句/ちはやふる下の句/ちはやふる結び |
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監督 | 小泉徳宏 |
脚本 | 小泉徳宏 |
原作 | 末次由紀『ちはやふる』 |
制作会社 | ROBOT |
製作 | 北島直明(企画・プロデュース)、巣立恭平(プロデューサー) |
製作総指揮 | 門屋大輔、安藤親広/門屋大輔、安藤親広/伊藤響、安藤親広 |
公開 | 2016年3月19日/2016年4月29日/2018年3月17日 |
青春スポ根ジャンルですね。百人一首大会としての再現度も高かった作品でもあります。
青春スポ根アニメが嫌いな人には、少しうっとおしいと思うかもしれませんね。
逆にこのジャンルが好きであれば間違いなく楽しめる作品でしょう。
ALLWAYS 3丁目の夕日
タイトル | ALLWAYS 3丁目の夕日/ALWAYS 続・三丁目の夕日 |
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監督 | 山崎貴 |
脚本 | 山崎貴、古沢良太 |
原作 | 西岸良平『三丁目の夕日』 |
制作会社 | ROBOT |
製作 | 安藤親広、山際新平、高橋望、倉田貴也 |
製作総指揮 | 阿部秀司、奥田誠治 |
公開 | 2007年11月3日 |
いわゆる人情ドラマ系の作品です。
昭和33年当時の街並みをミニチュアとCGで忠実に再現していたことが話題になりました。
ちなみに、日本アカデミー賞13部門中12部門で最優秀賞を獲得するという快挙を成し遂げました。
原作への愛が重要
どの作品も無駄に流行っているだけの俳優さんは起用せずに、原作のイメージを再現しようと努力したキャスティングをしています。
中には大人の事情で使わざるを得ないキャスティングが混ざっていますが、重要人物のキャスティングではしっかりと寄せてきています。
ここ最近観た実写映画で一番酷かったのは、「進撃の巨人」です。
制作人の大人の事情と、エゴが酷い作品でした。お金をかけた作品で、あそこまで酷い作品を作るって逆に凄いですよ。
原作への愛がなく、自分の演出を見せたいだけの作品が実写化成功するわけありません。
これから実写化する作品は、ちゃんと愛を持って実写化してくれることを願います。
もちろんディズニー原作で、そのままディズニーが実写化する作品も増えていってるけど、失敗作もあります。
現代の考え方というか、社会派というかポリコレというか…。正直、あまりそういう改変は入れてほしくありませんが大人の事情で仕方ないのかもしれませんね。