若者のら抜き言葉というけれど本当は問題ない?

新入社員が入ってくる春、 マナー講習を行っている企業もあるかと思います。

しかし、 日本語のマナーというのは非常に曖昧で根拠もないものも実は多いのが現状です。

今回は、 その中でも「ら抜き言葉」について調べてみました。

この記事を読むのに必要な時間は約 3 分です。

ら抜き言葉とは?

一般的にら抜き言葉とは、 動詞の可能の意味を持った助動詞である「られる」が付いた言葉で、 「見られる」「食べられる」といった言葉を 「見れる」「食べれる」という風に略した言葉のことです。

これが、文法的におかしいので問題があると言われています。

ら抜き言葉は間違い

松学舎大学の島田泰子教授の講義で面白いものがあり、 話題になりました。

内容としては、 本当は「ら」抜き言葉ではなくて、 「ar」抜き言葉だという内容でした。

つまり、 「見られる(mirareru)」のarが抜けて「見れる(mireru)」、 「食べられる(taberareru)」のarが抜けて「食べる(taberu)」だということです。

そして、 そう考えると単純に「ら」以外のものが抜かれている場合も、 同様に文法がおかしいことに気が付きます。

「歩けない(arukenai)・歩ける(arukeru)」といった言葉は、 本来は、「歩かれない(arukarenai)・歩かれる(arukareru)」からarを抜いています。

同様に「行けない(ikenai)・行ける(ikeru)」も 本来は、「行かれない(ikarenai)・行かれる(ikareru)」です。

では、こういった「ar」抜き言葉はいつ頃から言われるようになったのでしょうか?

ら抜き言葉の始まりは室町時代

実は、 室町時代ごろからと言われています。ずいぶんと前ですよね。 つまり、若者言葉ではないのです。

「ar」抜きことばと「ら」抜き言葉は違う! といった意見もあるかもしれません。

「ら」抜きことば自体は大正・昭和時代から言われてきてますので、 こちらも若者言葉というには苦しいのではないでしょうか

本来の文法とはおかしいといっても、 すでに社会に定着している言葉でもあるわけです。

本来の使い方と違うから、 それを使うなという意見は柔軟性にかけるのかなと思います。

少女漫画で話題になった「壁ドン」も、 元々は集合住宅で隣の住人がうるさい時に、壁をドンと叩いて威圧する行為のことを指していました。

私も長い間、その認識でしたので、 新しい「壁ドン」には違和感しかありませんでいた。

しかし、 ここまで新しい意味の壁ドンが定着してしまったら、もう仕方ないかなと思います。

言葉なんて変わっていく

調べてみた結論としては、 実は文法としては間違って(変化してきた)いるけれど、 そんなに気にしなくてもいいんじゃないかといった印象です。

言葉の誤用やマナーに必要以上に敏感にならなくても、 コミュニケーションは取れます。

もちろん正しい使い方を知っていることはいいことだと思いますが、 一般的に浸透している使い方を無視し、 間違っているからといって頭ごなしに否定するのもどうなのかと思います。

正しい知識を身に付けても、心は豊かでありたいですね。

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